申入れ翌日に、電話で口頭回答
1週間ほどかかると言っていたが
12月5日の「とめる会」の申入れに、四国電力側は「いつ頃までに回答できるかを12日ころには返答する」としていました。
ところが翌6日午後、四電担当者から松浦事務局次長宛てに電話があり、「この電話にて回答とさせて頂きたい」と切り出しました。語った内容は、①南海トラフの地震は、中央構造線の地震とは違って距離が遠く耐震性への影響は小さい。直ちに原発停止の必要性はないと考えられるので、電力の安定供給に努めていく。これは、従来からの方針である。②臨時情報に際しては情報収集に努め、被災状況を踏まえて柔軟に対応する。規制庁や自治体の意見も聞いて対応する―というものです。5日の見解と変わりがありません。
時間経過からも、四国電力が社内で誠実に検討した様子はうかがえません。四電の幹部は、住民の意見をふまえて検討するという姿勢がなく、部下である大野氏に前回と同じ回答を通告させたのではないかと思わざるを得ません。
臨時情報(巨大地震警戒)を知れば、四電の態度は放置できない
「臨時情報」は、南海トラフ巨大地震の兆候となる地震等が発生した後に、巨大地震が襲うかも知れない危険性への警戒を発するものです。
気象庁は、南海トラフ巨大地震に関わる「臨時情報」として次の4つを発することを明らかにしています。シビアな方から順に、臨時情報(巨大地震警戒)、臨時情報(巨大地震注意)、臨時情報(巨大地震調査中)、臨時情報(巨大地震調査終了)です。後ろの( )の中の文字が重要です。
○「臨時情報(巨大地震警戒)」とは、想定震源域内のプレート境界で
マグニチュード8.0以上の地震が発生したと評価を行った場合です。
○「臨時情報(巨大地震注意)」は、監視領域内でマグニチュード7.0以上の
地震が発生したと評価した場合。または、想定震源域内のプレート境界で、
通常と異なるゆっくりすべりが発生した場合です。
○「臨時情報(調査中)」は評価検討会を開催する場合。
○「臨時情報(調査終了)」は、巨大地震警戒でも巨大地震注意でもないと評価
した場合です。
南海トラフ地震を3つにケース分けしています
南海トラフ地震の震源域は、たいへん広いものです。南海トラフの領域を大きく東西に分け、西側は宮崎県日向灘付近から四国一円と紀伊半島西部に及ぶ地域で、東側はおおむね紀伊半島の東側から伊豆半島のあたりまでとします。
東西いずれかの領域の大部分で地震が発生したら「半割れケース」、一回り小さい地震だと「一部割れケース」、通常と異なるスロースリップ現象が見られると「ゆくっくりすべりケース」の3つに対応して発せられます。
このうち「半割れケース」は、東西のいずれかの地域でM8クラスの地震が発生した場合で、過去には、最短32時間、あるいは約2年の時間をおいて、西と東の地域で連続してM8以上の地震が発生しています。
なぜ四国電力幹部は、原発の運転停止を嫌うのか
原発は、事故を起こせば甚大な被害があるため、地震や津波など自然の脅威にいちはやく停止しなければなりませんし、そもそも運転すること自体が脅威です。
定期点検やメンテナンスでの長期停止でも、巨大な電力量に匹敵する代替電力が必要になります。他の電力がなければ存在できないのです。
四国電力の幹部は、収益の問題と共に、自然の脅威で停止を余儀なくされる事を忌み嫌っているのでしょうか。
もし、四国電力が原発の運転継続にこだわり、臨時情報(巨大地震警戒)にも原発をとめず、甚大な事故に至った場合には、刑事訴追もまぬがれないのではありませんか。四国電力の幹部は、住民の命も会社の命運も、全て原発に「賭ける」のでしょうか。