「伊方連続トラブル報告書」は撤回し抜本見直しを

「報告書」撤回を求めた申し入れと、報道2社記事の一部よるコラージュ

 7月28日、伊方原発環境安全管理委員会の前日、私たちは「伊方発電所3号機第15回定期検査中に連続発生したトラブルに関する報告書」(案)の撤回と抜本見直しを中村知事、環境安全管理委員会会長、同専門部会長あてに申し入れました。

    200728伊方連続トラブル「報告書」の撤回と抜本見直しを求める申し入れ

 これは、まるで定検再開のための通過行事のような報告書(案)を問題視したためです。「抜本見直し」というのは、定期点検の再開を認めることなく廃炉への転換を含めた見直しということです。とくに、摸擬負荷を使わず3号機を負荷としたことで、同機の全交流電源喪失を招いた四国電力の「不手際」を指摘するよう求めました。使用済み燃料プールの「43分間の冷却停止」は、愛媛新聞が2月6日に一面トップで報じたほどの住民にとって重要な情報ですが、「報告書」本文には「43分間」の記述すらないことを指摘し記載を求めました。

 大橋良照原子力安全対策推進監は、ディーゼル発電機がすぐに起動したから、「不手際」とするほどではないとしました。43分間の燃料プール冷却途絶は、水温上昇が1.1度であったので、大きな問題ではないとする硬直した返答でした。

 なお、申入れは須藤昭男、松浦秀人、和田宰、安藤哲次の4名が行い、武井多佳子県議が同席しました。県側は大橋良照原子力安全対策推進監ほか3名の職員が対応しました。。

 「自治体・農・漁・医・報道」関係委員の発言ゼロの異様

 7月29日の環境安全管理委員会では、「報告書」(案)審議の発言は2本だけ。それも、作成側の専門部会関係者です。委員31人のうち23名の出席で、内10名は伊方、八幡浜の自治体関係者や農業、漁業、医療、報道などの委員でしたが、だれも口を開かないままでした。「専門家」の権威にひれ伏さざるを得なかったのでしょうか、なんら異論も無く「報告書」になってしまいました。

 会長及び部会長からは、前日の私たち住民からの申し入れの事はまったく触れられませんでした。各委員にも私たちの申し入れ予定文面を送付していたのですが、無気力としか言いようのない会議でした。

「報告書」は撤回し抜本見直しこそ必要です。この報告書にもとづいて知事が「判断」するなど許されないことです。