第10回定期総会・記念講演 コロナにも負けず盛況に

 11月1日、コロナ禍で5月以来延期されていた定期総会を開催いたしました。

 伊方原発をとめる会の設立総会が2011年11月3日に開催されたことを思うと、奇しくもちょうど10年目に入るところでの開催となりました。

記念講演に90人超の聴衆

 幹事の泉京子さんの開会あいさつの後、木村真三さん「福島第一原発事故は何をもたらしたのか~ここ愛媛で考える~」と題して記念講演をしていただきました。木村さんは、愛媛県出身の放射線衛生学者で、独協医科大学・国際疫学研究室福島分室室長でもあります。福島県二本松市放射線専門家チームアドバイザーとして、二本松市内の小学校で放射線出前授業をする際の教材を使った模擬授業を展開されて、福島での甲状腺がんの現状、汚染水問題などについても豊富な資料をもとにお話しいただきました。

 質疑応答では、「汚染水についてどう考えるか」、「各原発周辺でのガンの疫学的調査はないものか」、「疫学的な元データが入手できるのか、そのデータ処理についてどう考えたらよいか」といった質問から、「『プロメテウスの罠』以来、木村さんに会いたいと思っていた」などの感想まで出されました。

フェイスマスク越しに熱弁をふるう木村真三さん

 木村さんからは「正しい判断ができる子ども世代を育てることが大事」、「(原発推進派と)同じデータを使いながら、そのオカシイ点を突いていくことが肝要」「科学的問題には科学で闘うしかない」等の力強いメッセージが伝えられました。

熱心に聞き入る人、メモする人

第10回定期総会 事務局長の交代も

 議長に選出された幹事の来島頼子さん、大川耕三さんの議事進行で、先ず、草薙順一事務局長の挨拶がありました。続いて「弁護団からの報告」として薦田伸夫弁護団長から松山地裁の裁判の進行状況などの報告が行われました。

にこやかな表情で裁判の進行状況を報告する薦田伸夫弁護士

 議事に入り、経過報告、決算報告、会計監査報告があり、質疑応答の後に一括承認されました。引き続き今年度の活動方針・予算・規約改正・役員の提案があり、いずれも承認されました。

 規約改正は、「総会の決定にもとづき顧問を置くことが出来る」条項を新設するものです。設立以来、事務局長としてとめる会をけん引して下さった草薙さんが健康上の理由により退任せざるを得ないことから、「顧問」として残っていただくための措置です。

 後任の事務局長には、共同代表の須藤昭男さんが就きました。また、一層円滑な運営のために事務局次長を3人体制とすることになり、松浦秀人さんの他、越智勇二さんと和田宰さんが新しく事務局次長に就きました。最後に幹事の大原英記さんの閉会の辞ですべて滞りなく総会が終了しました。

 特筆すべきは、質疑応答の中での共同代表の村田武さんからの提案です。「事務局長あいさつ」を「伊方原発をとめる会」総会決議の形にして、菅義偉首相に送りつけるとの提案で、満場一致で可決され、細部の表現などを事務局で整えた上で首相に送付することになりました。

 以下は11月3日付で実際に首相に送付した「原発と日本学術会議に関わる申入書」です。

201103首相宛 原発と日本学術会議に関わる申入れ