今回は、弁護団から3つの準備書面と3つの書証について陳述しました。まず、原子力委員会決定をもとにして、伊方原発の立地は原発立地審査指針に違反していることを示しました。そして、耐震計算の過小評価を指摘している長沢啓行さんの意見書と元加圧式原子炉設計技術者の藤原節男さんの意見書について、弁護団がその要点について陳述を行いました。
続いて、原告の大崎義治さんとアーサー・ビナードさんの2名が意見陳述を行いました。
大崎さんは、回復不可能な被害を人の生活にもたらすような施設は憲法に違反すると訴えました。また、核廃棄物の問題、原発事故の問題でも断固とした決意を語りました。そして、大洲市の市民の7割が伊方原発の再稼働に反対していることを示しました。
ビナードさんは、米国のミシガン州の生家近くにある2つの原発がそれぞれ1996年と2002年に事故を起こし、奇跡的にメルトダウンが回避されたと話しました。新潟の原発事故も奇跡的に最悪の事態を免れた。しかし、2011年3月の原発事故では奇跡は起こらず、深刻な事態が起き、この3年間欠かさず太平洋は大量の放射性物質を飲まされていると述べました。そして、「汚染水」というメディアの表現は、「天然水」や「縄文水」などと同様の仕組みで生み出され、放射能による「海ころし」という深刻な本質をかき消すものであるとし、瀬戸内海に放射能が流された場合には、太平洋とは異なってまさに「瀬戸内海をころす」事態をまねくと警告しました。