12月24日、伊方原発をとめる会は、伊方原発環境安全管理委員会の原子力安全専門部会に公開質問をしました。現時点での同部会の見地を尋ねるもので、1月16日(金)までの返答を求めました。以下、その内容です。
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伊方原発環境安全管理委員会原子力安全専門部会への公開質問書
伊方原発環境安全管理委員会の貴部会が、伊方原発の安全に関する愛媛県としての審査の要に位置づけられていると認識いたします。
いま、基準地震動が「平均像」で策定されてきたことの問題性があらためて浮き彫りになっています。基準地震動の算出に深く関わってきた入倉孝次郎氏が今年3月、愛媛新聞紙上で「私は科学的な式を使って計算方法を提案してきたが、これは地震の平均像を求めるもの。平均からずれた地震はいくらでもあり、観測そのものが間違っていることもある。基準地震動はできるだけ余裕をもって決めた方が安心だが、それは経営判断だ」と述べたことは、大きな衝撃をもって各方面に受けとめられています。
11月の大津地方裁判所の仮処分決定の中でも、「地震動の評価・策定にあたって,直近のしかも決して多数とはいえない地震の平均像を基にして基準地震動とすることにどのような合理性があるのか。・・・」等々、新規制基準の合理性に対する原告側の批判に対し、電力側がなんら説明を加えていない点を指摘しています。
ついては、貴部会に対し以下の4点を公開質問致します。
四国及び西日本に限らず、広範な住民の命とくらし・財産そして将来にわたる重要問題であり、現時点での貴部会の見地をお尋ねするものであり、さほど時間は要しないものと存じます。ついては、1月16日(金)までに、ご返答をお願いします。
公開質問事項
(1) 伊方原発の耐震設計の根幹となる「基準地震動」が、「平均像」をもとに計算されていることについて、貴部会で議論されたことがありますか。
(2) わずか50ガル基準地震動を引き上げただけで(570→620ガル)、福島原発事故の後に建設された伊方原発の免震重要棟の土台部分等に破壊が起こるとされたことは重大な問題です。このことと、国内で4000ガルを超える地震動が記録されたことを対比して検討していますか。
(3) 原子力規制委員会の田中委員長は、新規制基準の審査結果が安全を保証するものではないと語っています。では、だれが安全を保証できるのですか。貴部会は伊方原発の安全を保証できるのですか。もし、福島原発事故のような事故が起こった場合、だれが責任をとるのですか。
(4) 貴委員会として、最新の知見(①スロークエイクと巨大地震の関連について、②地震動による原発の損傷を疑わせる過渡現象記録装置のデータについて、③福島原発事故時のような短周期・長時間地震動に伊方が襲われる可能性や被害について)にもとづく徹底検証を国に求めたのでしょうか。また、貴部会としての調査研究をしていますか。
以上