7月29日に「伊方原発に巨大地震と大津波の脅威」と題して、元東京大学地震研究所准教授:都司嘉宣(つじよしのぶ)講演会を開催しました。講演では、九州での地震、あるいは南海トラフによる地震と中央構造線活断層帯との関わりが述べられました。
特に注目されるのは次の2点です。
①大分県を震源とする地震と中央構造線活断層帯が「連動」した可能性が強いとした点です。これは、慶長豊予地震(1596)による、佐賀関、杵築、上関などの津波の記録、宇和島城の震災記録などを重ねる中での分析です。そして、伊方周辺においても10mから15mの津波をもたらした可能性があると指摘しました。 ②南海トラフによる瀬戸内への影響について、「本震」よりも「余震」の方が強い揺れをもたらし、中央構造線活断層帯の動きを誘導した可能性にも言及した点です。安政南海地震(1854)と2日後の余震、及び安政4年芸予地震(1857)とを比べ、「本震」よりも誘発された広義の「余震」の方が強い揺れを引き起こしたことをあげました。
こうした状況から、都司嘉宣さんは、浜岡に次いで伊方の危険性が高いと指摘しました。