第7回定期総会で山崎医師が講演

10月1日、伊方原発をとめる会の第7回定期総会が松山市のコムズで開催され120名が参加しました。
(写真上左:山崎知行氏、上右:草薙順一氏、下:講演に質疑する会場の様子)

草薙順一事務局長は挨拶のはじめに、解散総選挙による疑惑隠しと、改憲と戦争法容認を踏み絵にした動きを厳しく批判しました。議案書に記した挨拶では、松山地裁仮処分の不当決定と原子力委員会による「原子力白書」を批判し、原発は人間と相いれないと結びました。

記念講演した山崎知行医師は、「町医者として・生活者として」見た現状を話したいと言って語り始めました。福島県などで子どもの健康相談に取り組む中で、疲れやすいとの訴えが広く継続していると言います。子どもの甲状腺ガンに関しては、一巡目の検査で問題なしとされた子どもが、およそ2年後の2巡目の検査では甲状腺ガンになった例が19人もあったと知り、県立医大で「経過観察」となった子どもの中には事故当時4歳の子どもがあったことを語りました。「経過観察」後のがん発症については、県民健康調査で「甲状腺がん」が見つかったという集計には入れられないルールになっており、そうしたケースが相当数ある問題点を指摘しました。また、周産期死亡率が福島県では原発事故後の2012年集計から急に高くなっており、他の10県の比較データではその傾向は見られていません。以前から急性心筋梗塞などによる突然死の多い地域ではありましたが、その傾向もより鮮明に続いています。山崎氏は、チェルノブイリ原発事故のあとの、ベラルーシなどのデータと比較しながら、原発事故との関係を軽視することなく見ていく必要を語りました。
山崎氏は、放射線測定器を携帯し、福島県内の行く先々の放射線を計測している映像も示しました。実際の計測と、公的に取り付けられた測定器の数値を比べ、公的な表示が低めに出ている実態を示しました。環境創造センターなどで、子どもたちに「安心キャンペーン」がはかられている点も問題ありとし、公的な説明や指導だけに頼らず、自ら計測し判断することが重要だと語りました。

総会は冒頭に、伊方原発をとめる弁護団の薦田伸夫さんが、原発訴訟に関する全国状況も含め、伊方原発運転差止の裁判及び仮処分即時抗告に至る状況を報告しました。議案では、一年間を振り返り、決算を承認したのち、情勢と方針を検討しました。えひめ県民署名の会と連携して署名成功のために奮闘することなどを柱とした方針を確認し、予算と役員を決定しました。

閉会挨拶を須藤昭男さんが行いました。福島原発を絶対にくり返してはならないとの決意をこめて締めくくりました。