司法の自殺との批判噴出 とめる会は怒りの記者会見
9月28日、伊方原発3号機の運転差し止めを求める仮処分について、大分地裁は住民の訴えを却下する不当な決定を行ない、住民側は即時抗告する決意を直ちに表明しました。
決定は、①新規制基準の手続きと内容、②地震に対する安全対策、③耐震設計の合理性、④使用済み燃料ピットの安全性、⑤地すべり液状化対策の安全性、⑥火山に対する安全対策、⑦シビアアクシデント対策の合理性、⑧避難計画の合理性などの全ての争点について、四電の主張を丸呑みした最低・最悪の決定となり、司法の使命を投げ捨てる結果となりました。
伊方原発とめる会は、17時30分から県庁記者クラブで記者会見を行い、大分地裁の決定がどれほど酷いものであるかについて説明し、高松高裁の判断に影響を及ぼす説得力を持っていないと表明しました。
会見には伊方原発をとめる弁護団の薦田伸夫団長、とめる会の共同代表の須藤昭男さんと松浦秀人事務局次長代行の3名が臨みました。冒頭に薦田団長が弁護団ととめる会連名の声明を読み上げた後に補足説明をし、須藤・松浦の両氏がそれぞれ感想を述べた後に各社の質問を受け30分ほどで終了しました。
会見の中で、薦田団長は「驚くほどレベルの低い最悪の決定」と指摘し、「原子力規制委の基準適合の判断があれば具体的危険性はないと言っている。規制委員会があれば裁判所は不要だと言うに等しい司法の自殺行為だ」と述べました。福島県出身の須藤さんは、「福島の惨状を経たうえでこんな判断が出されることが信じられない。裁判所はどうなっているのか」と疑問と憤りを表明し、松浦さんは「住民がまるで根拠のない言いがかりをつけているかのような酷い決定」と怒りを表しました。
この日は、たまたま金曜日のため県庁前の金曜行動(18時から19時30分まで)が行われましたが、大分地裁の却下決定に参加者は口々に抗議のスピーチを行っていました。