9月の第365回県議会定例会に、伊方原発をとめる会は、「乾式貯蔵に伴う使用済核燃料の長期貯蔵に反対し伊方3号機を廃炉にすることを求める請願」を提出しました。
190924 県議会請願書と資料(軽量)
この請願は、9月30日の環境保健福祉委員会で不採択とされ、さらに10月8日の県議会閉会日の本会議では、不採択に反対を示す議員が6名ありましたが、不採択とする原案賛成多数で、そのまま不採択が確定しました。
以下に、その経過を報告します。
【10月8日本会議での、私たちの請願に関する主な質疑】
○不採択に対する反対討論(武井多佳子:ネットワーク市民の窓)
・乾式貯蔵施設は伊方3号機を60年も超えて使用する狙いだ。
・使用済みMOX燃料は、資源エネルギー庁職員が、ウランと同じくらいにまで冷やすのに300年以上もかかると述べた。大問題である。
・特定重大事故等対処施設は550億円も投じる計画で建設ラッシュの様相だ。
・なし崩し的に愛媛が核廃棄物の置き場所になりかねない。県民の声に応えて伊方原発を廃炉にすべきである。
○賛成討論(なし)
採決(請願を不採択にするとの原案に賛成する者の起立を求めた)
起立せず不採択に反対した議員は、
石川稔(社民)、菅森実(社民)、浅湫和子(立民)、西原司(立民)、
武井多佳子(ネットワーク市民の窓)、田中克彦(共産)の6議員
【9月30日の環境保健福祉委員会での主な質疑】
「とめる会」の提出した請願(詳細は9/28付けHPに掲載)が、下記の審議の後に否決されました。傍聴席は3席で、とめる会から1名、四国電力からは2名が来ていました。なお、委員会は自民党3名、志士の会1名、維新の会1名、共産1名、無所属1名の計7名の参加でした。
質問(田中克彦・共産):最近伊方原発にトラブルが多発しているが?
回答:再稼働以後68件のトラブルがあり、マスコミ公表済み。
質問(同前):1.2号機の廃炉に関わる廃棄物量はどのくらいか?
回答:各3000トン。そのうち、比較的放射能の高いL1は各90トン発生し、処理の具体計画はまだない。
質問(同前):使用済みMOX燃料の冷却期間は?
回答:資源エネルギー庁職員は、冷却期間が300年という説もあると話をしただけであって、資源エネルギー庁として認めて言ったわけではない。長期に冷却しないと搬出もできないということではない。
質問(越智忍・維新):非常用発電機の配置とその費用について?
回答:県から費用支援もあり県内市町に1015台配置している。
伊方原発から5キロ~30キロ圏に設置している県の放射線モニタ機材の更新予算などが審議、了承されました。
【請願審議 「乾式貯蔵に伴う使用済み核燃料の長期保存に反対し、伊方3号機を廃炉にすることを求めることについて」 請願者 伊方原発をとめる会】
○原子力安全対策課の大橋原子力安全対策推進監が理事者(県)の見解を述べる
・乾式貯蔵の安全が明白と国は評価しており、伊方の設置計画の安全性を審査中。
・使用済み燃料プールの余裕年数が資源エネルギー庁と四国電力で異なるが、問題とは見ていない。
・MOX燃料を含め、あくまで一時的な保管なので、請願内容があたらない。
○賛成意見:田中克彦(共産)
・八幡浜市議会で乾式貯蔵について肯定否定の両面から識者を招いて学んだ。県議会でも学ぶべき。
・乾式貯蔵が安全と考えて長期にわたって保存することは危険ではないか。
・特重施設に巨額を投じてしまうことなく3号機を廃炉にすべき。
○反対意見―森高康行(自民)
・請願者である「伊方原発をとめる会」という名称自体からみて、原発をとめるという「ためにするもの」と思えてならない。
・原発はベースロード電源としてしっかり対策をした上で対処していると思う。
請願採択の可否を採決し、賛成者の挙手1名を確認した段階で、即少数否決とされました。