県民署名 Q&A

(1)は  「呼びかけ人」の仕事についてのQ&A です

(2)は  署名運動の中で、県民との対話をすすめるためのQ&A です

(1)  「呼びかけ人」の仕事についてのQ&A

 Q1.「呼びかけ人」の仕事は何ですか?

A1.可能な範囲で、署名活動を行う、集会に参加する、カンパを集める、呼びかけ人を増やす、などです。

 Q2.署名者に年齢等の制限はありますか?

A2.住民の意思表示の手段ですので、愛媛県民であれば年齢の制限はありません。直筆でなくてもかまいません。

 

 Q3. カンパについては義務なのですか?

A3.カンパですから義務ではありません。県内全戸へのチラシ配布、宣伝活動、集会開催などに多額の費用がかかりますので、個人は1口500円、団体は1口1000円(複数口歓迎)のカンパを広くお願いしています。可能な範囲でご協力ください。

 

(2)  県民との対話をすすめるためのQ&A 14

この「Q&A」は、完成版ではありません。9月7日現在のものです。呼びかけ人の皆さまが署名活動をしていく際、県民の皆さまからさまざまな質問が出てくると思います。どうお答えすればいいのか悩まれるかもしれません。そんなとき、この「Q&A」を活用してくださればと思って作成しました。これ以外にもまだまだ質問が出てくると思います。加筆修正をしていきます。ご意見をお寄せください。     えひめ県民署名の会事務局  ehime37shomei@gmail.com

Q1 原発をとめると、電気が不足して困るのではないですか?

A1 福島第一原発の事故のあと、日本中のすべての原発が2年以上とまっていました。それでも電気はじゅうぶんに足りていました。原発がなくても水力発電や火力発電などの設備でカバーできたのです。四国電力では、従来から電気は余っていて、原発の発電量にみあう電気を関西電力などに売っていました。原発がとまっても電気の不足は起こらないのです。

Q2 地球温暖化対策のため、二酸化炭素(CO2)を出す石炭・石油・天然ガスなどの化石燃料を使う火力発電より、原発がよいのではないですか?

A2 たしかに原発は、熱を出す核反応の段階では二酸化炭素を出しません。しかし、CO2排出量は、資源の採取から、製造、使用、廃棄にいたるすべてのプロセスを含めて評価する必要があります。原発では、核燃料の材料になるウランを掘り出すところから始まり、ウランの濃縮、精製、燃料に固めるまで、発電所設備の建設、解体、さらには使用済み核燃料の処理・処分などの段階で、膨大なCO2を出します。

Q3 石炭や石油はかぎりある資源です。やはり原発は必要ではないですか?

A3 化石燃料はかぎりある資源で、可能なかぎり消費を抑えるべきだと私たちも考えています。そのためには、太陽光、風力、水力、潮力、波力、地熱、バイオマス(生物資源)などの再生可能エネルギー(自然エネルギー)を積極的に活用すべきです。それは地球環境保全の上で有効で、いま世界は自然エネルギーの導入に向けて動いています。

Q4 将来的には再生可能エネルギー(自然エネルギー)が望ましいのでしょうが、天候に左右される自然エネルギーでは、電気の安定供給という面で問題があるのではないですか?

A4 自然エネルギーを導入する際には、風力・水力・地熱・太陽光などの発電所をいろいろな場所で同時に稼働させながら、発電量の変動分を補い合うのが現在の主流の考え方です。ドイツやスウェーデンなどでは、すでにさまざまな自然エネルギーの組み合わせで高水準での安定性を実現しています。

Q5 コストの面から考えると、原子力が安く、原発の稼働はやむをえないのではないですか?

A5 「原発の電気は安い」は大ウソです。火力・水力などと比較するとき、計算方式にごまかしがあるとの指摘もあります。用地買収費、漁業補償費、建設費、安全対策費、使用済み核燃料の処理費、廃炉費用などを含めると、とてつもなく原発は高いのです。その上、福島原発の事故処理費用は政府の見通しで21兆円という報道があります。ひとたび事故が起これば費用負担は天文学的金額にのぼります。

Q6 原発をやめると、地元の経済が打撃を受けるのではないですか?

A6 原発をやめると、廃炉作業に向かうことになります。廃炉作業は数十年にわたって続きます。当面は、雇用は変わらず、地元経済に大きな変動はありません。将来的に原発依存から脱却して、地域経済の再生をめざすべきです。

Q7 原発をやめると伊方町の財源が不足して、町政運営が成り立たなくなるのではないですか?

A7 「電源三法」による交付金などは、現行法のままでは削減されます。立地自治体が連携して国に制度改正を要求していくことが必要です。

しかし、「電源三法」による交付金は、原発の建設・稼働から年数が経つにしたがって逐次減額されていきます。立地自治体は、財政上の必要から2号機、3号機と次々と増設せざるをえない仕組みになっています。伊方町もそうしてきました。原発依存をどこかで断ち切らないかぎり、財政の健全化は実現しません。

Q8 福島第一原発事故のあとつくられた「新規制基準」は世界最高水準のものだと言われています。伊方原発3号機は、それに合格しているのだから安全ではないですか?

A8 「新規制基準」は欧米の基準と比較すると、とてもお粗末なものです。たとえば、ヨーロッパの最新型原子炉では当たり前のコアキャッチャー(メルトダウンが起きても溶けた核燃料を冷却施設に導いて冷却するための装置)の設置義務もなく、実効性のある避難計画の策定義務もありません。なお、原子力規制委員会の田中俊一委員長は「規制基準に合格したからといって安全を保障するものではない」と、くり返し記者会見で表明しています。

Q9 伊方原発は硬い岩盤の上に直接建てられていて、激しい地震の揺れにも耐えられるのではないですか?

A9 佐田岬半島は日本有数の地滑り地帯です。伊方原発は南海トラフ巨大地震の震源域の上にあり、数キロ沖には日本最大の活断層、中央構造線が走っています。四国電力は「硬い岩盤」と宣伝していますが、自然の猛威は人智では計り知れない巨大なもので、ひとたび巨大地震が発生すればひとたまりもありません。

そもそも四国電力は、中央構造線を認識しないで伊方1号炉の設置許可申請をし、中央構造線は活断層ではないとして、2号炉、3号炉の申請をしてしまったのです。本来原発を建ててはいけないところに建てたと言えます。

Q10 巨大地震とか、複合災害とかの言葉は「ためにする宣伝」のように聞こえてなりません。千年や一万年に一度などのことを言い立てるのは、過剰に不安をあおっているのではないですか?

A10 福島原発で見られるとおり、万一事故が起きればその被害は甚大であり、回復不能の被害を生むのが原発事故です。福島では今も数万人が不自由な避難生活を送っています。福島原発周辺では永久に人は住めなくなっています。「千年に一度」とは、千年後に発生という意味ではなく、明日がその千年に一度なのかも知れないのです。

Q11 最近、「乾式貯蔵」という報道がありますが、それはどんなものですか?

A11 原発で燃やしたあとのウラン燃料を使用済み核燃料といいますが、とりだした後も放射能と熱を出し続けます。いまは覆いのないプールの水の中に保存しています(湿式貯蔵といいます)。その水を電気で循環させて余熱をとっているのですが、何らかの事情で電源が切れたり漏水で水がなくなると大事故になります。

この点、乾式貯蔵はキャスク(魔法瓶のような形の大型設備)に収納して空気の自然対流を活用しているため、技術上は湿式貯蔵より安全と言われています。ただし、取り出した直後の使用済み核燃料は乾式貯蔵はできません。数年間(伊方3号機のモックス燃料の場合は数十年間)の湿式貯蔵を経て、はじめて乾式貯蔵に移行します。

Q12 四国電力は、伊方原発敷地内に乾式貯蔵施設を設置する検討をしています。住民として、どう考えればいいのでしょうか?

A12 いま「乾式貯蔵」が言われているのは、使用済み核燃料がプール内に溜まっていっぱいで、このままでは数年後に持って行き場がなくなり、原発が運転できなくなることからの四国電力の提案です。仮にこれを認めれば、事実上半永久的に伊方町に使用済み核燃料が残り続けることになるかもしれません。子々孫々にわたって影響がおよぶわけですから、慎重に検討する必要があります。

Q13 署名をしたら原発はとまりますか?

A13 県民署名の目標は30万筆以上です。これだけの数を集めれば、県知事への圧力になります。次の選挙では、原発を争点にせざるを得なくなります。世論調査では、県民の8割が原発に不安を持ち、イヤだと思っています。署名は、これらの人たちが意思表示をするよい機会になります。

Q14 署名をすると個人情報が漏れるのではないですか。生活が脅かされ不利益となるのではないですか?

A14 お預かりした署名は、知事へ提出する目的以外に利用することは決してありません。署名用紙の取り扱いには個人情報保護などの観点から十分配慮します。